ナポリタンとナポリの関係
私がナポリに行くんだと話すと、10人中7人くらいはこう言います(笑)
日本から見ると遠くてイメージもつかみにくくて馴染みのない街・ナポリ。
一方、ほとんどのレストランにあって子供から大人まで大人気のメニュー・スパゲッティナポリタン。
この2つの間には濃いようで薄い、薄いようで濃い不思議な関係がありました。
まず、割と有名な話ではありますが、ナポリにナポリタンはありません!
正確に言うと、日本の純喫茶で出てくるような鉄板ナポリタンはないのです。
あれは日本で長い時間をかけて生み出された料理で、 発祥は横浜のホテルニューグランドだと言われています。
(ちなみにこのホテル、シーフードドリアやプリンアラモードの発祥地でもあるのだそう。
その創作意欲というか、アレンジ力にはびっくりですね〜。)
ただし、ニューグランド時代のナポリタンは現在のものとは違いって生のトマトやオリーブオイルを使用した、本格派トマトソースパスタだったそうです。
それが色んなところで真似されるうちに簡略化されて、手に入りやすいケチャップが使われたり彩りあざやかなピーマンが加わったり、アツアツを食べられるよう鉄板に乗せられたり、たくさんの人のアイディアが詰め込まれて今の形になったんですね。
ではどうしてそのトマトパスタはナポリタンと名付けられたのか??
これには諸説ありますが、どうやら由来はイタリア語ではなくフランス語のようです。
当時から既にフランスでは、トマトソースのパスタをナポリ風と呼ぶ習慣がありました。
(ちなみにピッツァ・マルゲリータはナポリ発祥の料理ですが、そちらもトマトソースをメインに使っていますよね。
ナポリとトマトの間にもまた別の深い関係がありそうです。)
そして、そのナポリ風パスタというフランス語の呼称をニューグランドのシェフがそのまま引用したのです。
確かに考えてみると、純粋なイタリア語ならgli spaghetti napolitano(グリ スパゲッティ ナポリターノ)となるはず。
ただ、フランス語だと考えてもnapolitane の発音は ナポリテーヌ になるはずなので、これを日本人が馴染みやすいよう明瞭に、かつアメリカ英語の読みに合わせて改良した読み方がナポリタンだったのでしょうね。
これ、ざっくり簡単に説明できるようにしたいな、微妙に複雑だけど笑